---その25:パプキン累代失敗か?〜セアカフタマタがやってきた---
パプキンは多産。これは各種昆虫関連書籍やネット上の情報を見ても明らかな事実である。にもかかわらず、我が家で生まれたパプキンの幼虫はたった一頭だった。通常のクワガタが、♂の立派さを求めるものなのに対し、パプキンは♀の美しさを求める種と言える。その意味では、たった一頭産まれてきた忘れ形見が♀だったのはありがたかった。ブルーグリーンの親からは想像できない美しいレッドの個体。そのメタリックな光沢は、虫好きでなくとも感動に値するだろう。
この♀を使って更なる累代を目指そうと婿養子を募集し、ネットで知り合った方から♂の個体を分けていただいた。しかし待てど暮らせど、ケースの底に幼虫の姿が見えてこない。8月中旬現在、親は既に寿命を終えているために、もし一頭も産まれていなければパプキン累代はここで幕を閉じることになるわけだが、昨年に引き続きこの成績の悪さは一体何だろう。パプキンは標高の高いところに生息する種ということなので、ひょっとすると飼育場所の温度が高すぎるのかもしれない。
セアカフタマタクワガタの雄姿
Canon PowerShot G3
まだ最終的な結論を出すのは早計であるが、パプキン累代の望みは限りなく薄い。知人にクワガタの幼虫を分けてあげるとの約束もあるので、保険の意味も兼ねて新たなクワガタを入手した。大きく湾曲した立派な大アゴと鞘翅の赤褐色が美しい、セアカフタマタクワガタである。♀は至って普通の黒い虫で、別段取りたてる部分もないのだが、この♂の見事さはどうだろう。イメージ的には戦国武将の鎧兜を思わせる、日本人好みのスタイリングである。
フタマタ系はどれもみな気が強く、♀殺しも茶飯事という話だが、セアカはまだマシなほうらしい。とは言え、気の強さは確かなようで、餌交換のためにケースの蓋を開けるだけで猛烈に威嚇し、その後蓋を閉めてもしばらくその警戒態勢を解こうとしない。累代が目的なので最初から雌雄同居としたが、当初は♀が殺されないかと心配で仕方なかった。交尾そのものには成功しているようだが、♀がどこかに移動しようとすると、ものすごい速さで♂が先回りして行く手を阻む。マットに潜ろうとする♀を、大アゴではさんで引き摺り出す♂の姿まで目撃してしまった。いくら無事に交尾を済ませても、潜らせてもらえないのでは産卵はできない。♀に安心して産卵に専念してもらうことと、交尾を拒まれた♂がストレスから♀を攻撃することを避けるために、結局、別居させることとなった。
別居から一週間。♀のケースからは産卵木をかじる音が響くようになった。この音を聞くと期待が高まるが、オオクワのようにかじるだけかじって全く産まないということも有り得る。フタマタは、柔らかめの産卵木をしっかり埋め込むことが繁殖のコツという話なのでそのようにセットしたのだが、はたしてうまく増えてくれるだろうか・・・。
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