ご覧いただこう。たった1頭の忘れ形見が羽化した姿である。メタリックレッドとグリーンの混ざった、見事な色彩の♀の個体である。
前回アップした親虫の写真と比較していただきたい。あのブルーグリーンの親から、こんな色の子が産まれてくるのである。背景が薄紫のものは夜間にフラッシュ撮影したもので、正面から単一方向で光が当たっている。木目のものは日中、窓から差し込んだ太陽光を光源に撮影しているが、環境光によって全方位から光が当たっている。この写真からもわかるとおり、真正面からだと赤、角度を変えて斜めから見ると緑に見える。フラッシュ撮影したものでは体のほとんどが赤く写っているのに対し、日中撮影のものでは体のフチがだいぶ緑に見えるのがわかるだろう。今回の撮影では、かなりの枚数を撮影してこの4枚をピックアップしているが、この個体の微妙な色彩は、なかなか写真で伝える事は難しい。このコンテンツをご覧の方は少なからずクワガタに興味をお持ちのことと思うが、もしまだパプキンを手にしたことがなければ、ぜひ一度手もとで飼育して、この美しさを実感してほしい。
場所をとらず手間もかからず、速いサイクルで累代が進み幅広い色彩変異を見せるパプキンは、ある意味クワガタ界のグッピーとも言える存在だ。ダイナミックな迫力のサキシマや、美しい造形美のオオクワも捨て難いが、手軽で色彩の美しいパプキンこそ、クワガタの入門に最適なのかもしれない。♀1頭しかいないため、このままではここで累代が途切れてしまうパプキンだが、何とか♂を入手して、更なる累代に挑戦してみたい。