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pet and aquarium

---その31:ジャンガリアンがやってきた---



ジャンガリアンハムスター「ジャン」

 平成17年12月、我が家のペットたちにまた新たな仲間が加わった。ジャンガリアンハムスターの「ジャン」である。我が家にやってきたのは突然のことだったので、飼育初日は新聞紙の切れ端を大量に敷き詰めたダンボールのお部屋をご用意し、お食事は生のサツマイモの切れ端をお出ししたところ、たいそう喜んでお召し上がりいただいた。作者はかつてモルモットを20匹ほど飼っており、齧歯類は初めてではなかったが、ハムスターがこんなにも世話いらずな生き物とは思わなかった。モルモットと比べると全く手がかからないと言ってもいい(あくまで比較論だが)。初期投資はハムスターそのものを含めて5000円程度。餌や床材などのランニングコストも月あたり200円程度しかかからないし、これはもうリクガメや熱帯魚をも凌駕する手軽さだ。

 一般にペットショップで売られているハムスターは、ゴールデン、ジャンガリアン、キャンベル、ロボロフスキー、チャイニーズの5種。よく「ブルーサファイア」や「パールホワイト」といったハムスターが売られているが、これらはジャンガリアンのカラーバリエーションということらしい。このうちゴールデンハムスターは他種より二回りほど大きく、残りはドワーフハムスターとしてゴールデンとは大別されている。
 我が家にやってきたのは原種のジャンガリアンで、背中がシマリスのような模様になっているため、彼と初めて対面した長女は「リスだ!! リスが来た!!」と大騒ぎ。「あ、いや、これリスじゃないから・・・」と説明しかける作者の事などお構いなしで、嫁さんと長女は「名前決めようか」「私が決める!!」とハイテンション。長女の独特のセンスにより「ミリちゃん」とかいうワケのわからない名前が付けられそうになる。「それ、男の子だから」ということで長女には思いとどまっていただき、「そうだな・・・ジャンガリアンハムスターだから、ジャンにしない?」と(無駄かもしれないが)案を出してみたものの、「リス夫・・・」と嫁さん。だから、リスじゃないって何度も・・・。
 いつもの事ながら全く決まりそうにないので、奥の部屋から長男を呼びつけて「ミリちゃん、ジャン、リス夫のうちどれがいい?」と聞いてみるが、「ぴょんちゃん」という第4の候補が・・・。我々のみが案を出して長男の案は却下するというわけにもいかないので、次女を呼んで四択を迫るが、今度は「ちゅん」という第5の候補が挙げられる始末。相変わらず全くまとまりのない家族であるが、結局数日の内には全員が「ジャン」と呼ぶようになっていた(作者の案が採用される例は、我が家では非常に珍しい)。

 翌日は、新たな家族に快適な居住空間を・・・ということで、ペットショップへ飼育器具を物色に出かけ、ケージ(回し車、給水器、餌皿つき)、巣箱、トイレ、マット(牧草)、固まるトイレ砂、餌(ペレット)、綿を買ってきた。ここで、え? トイレ? と思った人も多いだろうが、そう、ジャンガリアンハムスターはトイレを覚えるのである(これが飼いやすさの秘密)。ケージはプラスチックのパイプを通って二階に行ける作りになっており、最初こそ登ったはいいがどうやって降りよう・・・と戸惑っている様子だったが、いったん降りれてしまえば後は喜んで行き来を繰り返していた。
 これで彼も安心して暮らせる事だろう・・・と思いつつ、ネットでハムスター関連の情報を仕入れていて青くなった。店でハムスター用品として置いてあるものから選んできたというのに、買ってはいけないものが2つあったのだ。1つは「固まるトイレ砂」、もう1つは「綿」である。固まるトイレ砂は基本的にネコ用として売られているものと同じで、オシッコをした部分のみが固まって臭いも閉じこめるというもの。汚れた部分だけを捨てて補充すれば良いので実に経済的に思えるが、ハムスターがトイレを覚えるのは自分のオシッコの臭いを頼りにしてのことなので、臭いを閉じこめてしまっては本末転倒。また、水分に触れて固まるわけなので、誤ってハムスターが砂を口にすると、頬袋や食道、腸管などで固まってしまう危険性がある。綿はハムスターが巣箱の中に自分で寝床を作るための巣材として売られていたが、これも腸閉塞になることがあるという。ということで更に翌日にはこれら2つのアイテムを廃棄して、角を丸められた焼砂を購入。巣材は新聞紙を細く千切って与えた。
 餌は基本的にはペレットのみで良いらしく、餌皿にザラザラと入れておいて無くなったら補充、という具合に与える。某アニメの主題歌で「大好きなのはヒマワリの種」と歌われているために、ヒマワリの種を主食として与えてしまいがちだが、それだとカロリーが高すぎて不健康なので、ヒマワリの種は1日1粒程度が上限らしい。与えてみたところ夢中で齧っていたので、まぁ大好きなのは間違いないらしいが。この他、野菜や果物なども良く食べる。特にみかんはいたく気に入ったようで、最初に鼻面に持っていったときはしきりに匂いを嗅いで様子を伺っていたが、一口齧った後は夢中だった。

 小さくて柔らかくて目がくりくりしてお日さまの匂いのする、とにかくメチャクチャかわいい生き物なのだが、困った事も少々。それは時として怒りっぽかったり、人間の指を餌と間違えて齧ったりすることだ(血が出ることもある)。ハムスター(特にドワーフ系)はそもそも人間になつく生き物ではなく、なついているように見えるのはあくまで人間のことを「気にしてないから怒りもしない」のであって、決して「大好き〜」とか思ってくれているわけではないらしい。彼らはとにかくマイペースで、口を大きく開けて「ジジジジ・・・!!」と鳴き声を上げて怒ったかと思うと(特に寝起き)、伸ばした掌に自分から乗ってきたりもする。怒ってたかと思うと次の瞬間には馴れ馴れしく接してきたりする女の子ってよくいる(しかもなぜか若い頃はそういう子に惹かれがち)けど、あんな感じ。要するに、非常に気まぐれなのである。このあたりは個体そのものの性格の違いもあるし、成長の過程でどのような経験をするかによっても変わってくるらしいので、中には全く噛みついてこない個体もいれば、噛みつくどころが物陰に隠れてさっぱり出てこない個体もいるという。気長に接してれば、噛み癖も直るとの事だけど、寿命2年と言われるジャンガリアンで、気長ってのはどのくらいの期間なのだろう・・・。うちのジャンの気まぐれ具合を見るに、コイツはずっとこんな調子のような気がしてならない。まぁ、それでもこのくりくりの目を見ていると、何でも許せてしまうのだが。

 ところで、ケージその他飼育器具を揃えに出かけた際に見たジャンガリアンハムスターの値段は980円。その翌週のクリスマスセール期間は680円に値下がりし、更に翌週の新春初売りでは何と380円で売られていた。その辺のクワガタの幼虫のほうが遥かに高いのだが、哺乳類がこんなに安くて良いのだろうか・・・!?


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